ヨッシーの日記

いろいろかきます

【編入体験記】H31信州大学 一般

平成31年度入学の信州大学工学部電子情報システム工学科の編入試験(一般)に合格*1しましたので、主に僕が受けた試験の概要について報告したいと思います。僕は、電通大の推薦を受けたので信州大学はいわゆる滑り止めだったのですが、信州大学編入試験について書かれているブログや編入体験記は少ないので、今後受ける人の参考程度になればと思って書きました。

信州大学編入

信州大学とは

信州大学は名前の通り長野県にあり、工学部のキャンパスは長野市にあります。キャンパスの立地はそこまで悪くなく、長野駅から工学部のキャンパスはバスで数分くらいで到着します。高専生が編入で行くような学部は工学部は勿論、繊維学部(化学系)や経済学部(最近経済学部に編入する高専生が増えてきた)があります。信州大学編入生の大部分は長野高専高専生が占めていて、それ以外の高専からの編入生はそれに比べると少ないので編入の情報はとても少ないのが現状です。

試験の傾向など

工学部の試験は学科によって異なります*2。僕が受けた電子情報システム工学科は、数学、面接(口頭試問含む)、書類で評価され、それらの割合は3割、6割、1割だそうです。
数学の筆記試験は試験時間90分で4つの大問に回答します。問題構成は毎年大体同じで、
大問1・・・微分(1変数、多変数両方出得る)
大問2・・・積分微分と同様)
大問3・・・行列式逆行列連立方程式など
大問4・・・固有値固有ベクトル、対角化
信州大学の数学は電通大と異なり、明確な傾向があまり無いですが、そこまで難しい問題は出ないと思われます。ですが、毎年大問1か2は結構骨のある問題が出るので過去問だけではなくて、編入の問題集で全体的に演習をしておくと良いと思います。

面接試験は英語と専門の口頭試問も含まれます。
英語は中学レベルの単語・文法が出来れば問題なく答えられるレベルですが、最後の問題で工学系の単語が含まれた文からの出題がありました。これは特に対策も出来ないので、普段の勉強から専門用語の元々の英単語を気にしながら勉強するようにすれば大丈夫だと思います。
専門は募集要項にもある通り、情報、電磁気、電気回路から選択出来ます。問題を選ぶ時間も回答時間に含まれるので、予めどの問題にするか決めておくと良いと思います。
面接は基本的には何を聞かれるかはわからないので、基本的なことに関しては答えを用意しておいて、それ以外はその場で考えて答えていくという感じで良いと思います。
書類は、通常の願書の他に「自己申告書」というA4一枚で志望動機を自分の今までやってきたことを踏まえて記述する書類があります。僕は一応A4の用紙が全部埋まる程度には書きました。後述はしますが、面接で自己申告書に関する質問はありませんでした。面接官は何か書類を見ながら質問していたので、内容によっては自己申告書から質問される場合があると思います。

試験内容

数学

数学は機械システム工学科の受験生も受験するので2学科の受験生が同じ部屋で受験します。ちなみに機械システム工学科の合格者は1人のみだったそうです(24人受験だから24倍ですね・・・)

【1】(条件付き)微分積分を合わせた式の(1)f''(x) を有理式で(2)f(x) を求めよ*3
最初解き方がよく分からずに飛ばしました。最後まで解いた後に時間が余ったので解き直したら一応答えが出たのですが、初期条件が足りなくて最後の式に任意定数が含む形になってしまいました。
【2】変数変換を使う重積分
(1)で不定積分を求めさせて(2)の重積分で(1)の結果を使わせる問題です。信州大だとよく出ます。
【3】係数に文字が含む連立方程式の(1)解が存在しない条件(2)解が無数に出る条件とそのときの解(3)解が1つになる条件とそのときの解
何気に信州大で連立方程式の問題が出るのは僕が知る限りだと初です。基本的に拡大係数行列を行基本変形すれば大丈夫です。大問3は過去色々な問題が出ている(編入だとあまり出ないブロック分割なども)ので色んな問題を対策しておくと良いかも知れません。
【4】文字pが含む3次正方行列の(1)固有値(2)対角化できないようなpの値
(2)は重解になる固有値が何個の線形独立な固有ベクトルを持つのか数えれば良いです。対角化出来ないpの値を全て求めなければならないので、pが取り得る全ての場合についてしっかり場合分けして回答しましょう。

また,この問題の解答と解説を公開したので,合わせて参考にして下さい.
yoshi12030.hatenablog.com
yoshi12030.hatenablog.com
yoshi12030.hatenablog.com
yoshi12030.hatenablog.com

口頭試問と面接

面接会場は推薦の面接会場と同じなので、そこまで集団で移動します。口頭試問と面接は同じ部屋で行います。面接室は全部で5つあり各受験生は、
(受験番号mod5)番目の面接室に受験番号の若い人から入室します。試験の順番は英語→専門→面接で、各5分です。面接官の先生は3人でした。

英語の口頭試問

面接室に入室すると受験番号と名前を言い、着席すると同時に口頭試問が始まります。英語はテーブルに置いてあるプリントに書かれている問題の回答を口頭で答えます。問題は文法の問題や和訳、英訳、専門用語の含む和訳などが全部で7,8問ありました。僕は8割程度回答出来ました。気をつけなければならないのは和訳のときにちゃんとした日本語に整えてから答えなければならないと言うことです。僕は長文を読むときは基本前から訳すのですが、これをそのまま面接官に言っても伝わりません。ですので、多少時間がかかっても頭の中で整理して答えるのが良いと思います。

専門の口頭試問

元々僕は電磁気の問題を解こうと考えていたのですが、電磁気で見たこと無いような問題が出ていた為情報に変更しました。
情報の口頭試問は大きく2つあり、プログラムの実行結果を口頭で答える問題と2進数の計算をする問題がありました。プログラミングの問題はC言語で書かれた簡単なコードの実行結果を答えます。2進数の計算は足し算引き算(2の補数を使う)が出ていました(他にもあったが見れていない)。
僕みたいに「電磁気を解くぞ」と決めておくのは良いのですが、1つの科目しか勉強しないでおくと僕みたいな状況になったときに何も出来なくなるので最低2つの科目の復習をしておけば安心出来るかも知れません。

面接

面接も感覚的に5分程度でしたので、聞かれる質問もそこまで多くはありません。以下に聞かれた内容を書いておきます。

  • 志望動機
  • 将来はどんな技術者になりたいか(研究者と答えた)
  • 大学院は博士まで行くか
  • 自分のどんな所が研究に向いていると思うか
  • 学校で勉強や実験などをしていて面白かったエピソード

圧迫面接では無かったのですが、個人的には少し話しにくい雰囲気ではありました。

受けた理由とまとめ

信州大学を受験したのは、電通大の試験に被らない滑り止めになるような大学を探していた、というのが正直なところ一番大きいです。元々僕は群馬大の学力を滑り止めに考えていたのですが、群馬大の試験と電通大の試験が見事に被り、仕方なく信州大を受けたという経緯があります。仕方なくというのは、信州大の編入試験は地方国立大学の中ではそこそこレベルが高く、電通大の滑り止めとしては不向きだったという事です。数学も初めて過去問を解いたときは「意外と難しくね???」というのが正直な感想でした。そこから、信州大用の数学の対策をしようと思い「編入数学過去問特訓」という本のA,B問題や過去問を解きました。結果的には合格出来ましたし、信州大学用の受験や信州大学での口頭試問の試験が電通大の口頭試問対策にもなったので信州大学を受験して良かったと思いました。

*1:電子情報システム工学科の倍率は6.75倍でした。

*2:詳しくは工学部HPに載ってる募集要項を見て下さい

*3:信州大学側から過去問が公開されると思うのでそれを参照して下さい。