お久しぶりです、今回は電通大編入恒例の『地獄の単位認定』について書いていこうと思います。今年の単位認定は、6月には認定が確定して認定作業も全て完了していたのですが、課題やらレポートやら試験やらに追われて気付いたら夏休みになっていて、この記事を書くのもこの時期になってしまいました。。
僕の認定単位数は72単位で、多分認定作業が失敗した方の部類なので同期の人よりは少なめだと思います。単位認定の方法は情報理工学域になってから変わったので、学部時代の情報を持っている方は、僕のこの記事で再確認していただければと思います。
そもそも単位認定とは
3年次編入で大学に入学するときに、前の学校(高専とか短大とか大学とか)で修得した単位を入学後の大学の単位に割り当てることができるという制度です。というか、この制度が無いと3年次編入した学生は技科大*1とかじゃない限り100%留年します。
電通大の単位認定は、他の大学の単位認定制度に比べて滅茶苦茶に厳しいです。面倒な作業を繰り返して、やっと単位がもらえます。単位認定は編入試験と同様、情報が勝利の鍵を握るので、しっかりと情報を集めるようにしてください。
電通大の単位認定
包括認定と個別認定
電通大の単位認定には包括認定と個別認定という2つの認定があります。簡単に言うと、包括認定は入学特典で何もしなくても貰える単位で、個別認定は単位認定申請書を出す面倒くさい作業が必要な単位です。包括認定の対象科目は年度によって変わる可能性があるので、ここには詳しく書かないでおきます。
認定の流れ
先程でも言いましたが、電通大の単位認定は滅茶苦茶に厳しいです。まず、高専5年の2月頃に単位認定の説明的なものが電通大から送られてくるので、まず「認定申請書(作業用)」(下図参照)を書きます。これはエクセルに書き込む用と手書き用があるのですが、絶対に手書きで書かないで ください。後で書き直すときに苦労すると思います。これに認定して欲しい電通大の科目名を書いて、高専で取った科目とその内容、時間数、単位、教科書などを書いていきます。この作業はすごく大変なのですが、ここで手を抜くと後々に響くのでしっかり書きましょう。
上に示した書類を全て記入して大学に出したら4月まですることはなくなります。4月になると編入生オリエンテーションが入学式の前日辺りに開かれるので、そこで認定申請書が返却されます。ここで自分が申請した単位に全て「可」が付けば何もすることはありませんが、恐らくこの時点で多くの科目に「否」または「保留(要面談)」と書かれて返却されるはずです。ここで周りの編入生と書類を見せ合って情報交換をすると良いと思います。単位認定は団体戦なので、周りの編入生との連携を強固にしましょう。
編入生オリエンテーションの次の日から大学に来て認定作業をしましょう。実際、僕もこの時期先輩に「明日から作業を始めましょう」って言われて「え、動くの早くね?」って思ったのですが、逆にさっさと動いて授業開始日までにほとんどの科目の認定を終わらせておかないと詰むので、特に用事が無ければ次の日から大学に来て図書館の3階にある情報自習室辺りで編入生の仲間と認定作業を進めましょう。単位認定の作業は、下にフローチャートを載せましたが、書類が返されて『否』があったら書類を書き直して、メールで認定担当の先生に面談のアポを取り、面談で何故認定が出来ないのかを聞きます。その後、資料を書き直して再度面談(または教務課に提出)して書類が『可』になったらその科目の認定作業は終了です。
注意ですが、教務課の人は「認定資料を出し直す際は教務課を通せ」と説明してきます。ただ、これは 無視 して下さい。教務課を通すと、資料が手元に返ってくるのに最短で一日くらいかかってしまう(これは結構な痛手)ので、教務課を使うのはもう面談は終わって資料を出し直すだけでその都度アポを取るのが面倒なときくらいにしましょう。
ここで認定作業と一緒にやっておくと良い作業を書いておきます。
- メールの設定
絶対にやったほうが良いです。認定作業では先生にメールで面談のアポを取る必要があるのですが、これをプライベートのメールアドレスでやると、相手の先生によっては返信してくれないかもしれません。電通大ドメインのメールアドレスを使うということは、自分が電通大の人間である証明になるので、ぜひメールが使えるように設定しておきましょう。メールの設定方法は電通大の情報基盤センターのページに載ってあります。
www.cc.uec.ac.jp
- 学務情報システムにログインして住所を入力
別にこの時期にやる必要はないのですが、これをしないと履修登録ができなかったはずなのでしておきましょう。ついでに学務情報システムのURLを貼っておきます。
www.uec.ac.jp
- 前期と後期の時間割作成
単位認定が進んできたら徐々に作り始めましょう。出来れば後期の時間割も同時に作っておくと、卒業までの見通しがつくと思うので是非やって下さい。
単位認定の結果
この節では、僕が実際にどのように単位を認定したかを科目の分類ごとに書いていきます。単位認定は、時間数が足りれば高専の1科目を電通大の複数科目に割り当てたりすることや、逆に高専の複数科目を電通大の1科目に割り当てたりすることができます。また、認定には単位認定が出来る上限の単位数が決まっているため、特に専門科目はこれに注意する必要があります。が、とりあえず単位認定申請書(作業用)の段階では 認定上限数を超えて申請しても良い です。こうしておくと、最後に前期後期の時間割を組む時に、組み立てやすくなると思います。以下では表形式で認定の結果を示します。認定された科目は右に「可」と書き、認定に使った高専の科目名を書いておきます。逆に認定されなかった科目には右に「否」とだけ書きます。
言語文化科目
大学の科目名 | 高専の科目名 | 備考 | 認定 |
---|---|---|---|
Academic Spoken English Ⅰ | 英語Ⅳ 卒業研究 |
可 | |
Academic Spoken English Ⅱ | 英語Ⅳ 卒業研究 |
可 | |
Academic English for the Second Year Ⅱ | 理由は後述 | 否 | |
英語演習 | 英語Ⅴ | 可 | |
中国語第一 | 中国語 | 可 | |
中国語第二 | 中国語 | 可 |
電通大の英語
Academic〇〇という名前の英語は1,2年の英語なのでできるだけ全力で認定してください。何故かAcademic English for the Second Year Ⅱ(以下AESY2と書く)の今年の認定基準が「授業でスピーキング&リスニングの授業を行って、理系のテーマに関する英語のプレゼンテーションを行ったか」というものになっていて、ハードルがとても高かったので、多くの編入生が突っ返されて認定されませんでした。そもそも、高専の英語の授業でそんなアクティブなことやらないと思うんですけど、皆さんの高専はどうですかね。僕の高専では4,5年は本当にリーディングしかやらなかったので、正直に喋ったら1年生の科目である、Academic Spoken English(以下ASEと書く)すらも認定が危うかったので適当に誤魔化しました。英語に関しては本当にやってない高専もあると思うので、面談の際はどう言い訳するか考えてから臨みましょう。ちなみに、AESY2は国際学会で発表した高専生は余裕で認定されてました。
僕は「卒研の時間に自分のテーマを英語で発表する練習をした」みたいなことを言ってASE1とASE2をもぎ取りました。
健康・スポーツ科学科目
大学の科目名 | 高専の科目名 | 備考 | 認定 |
---|---|---|---|
健康・体力つくり実習 | 保健体育Ⅳ | 高専4,5年で体育をやっている必要あり | 可 |
健康論 | 高専4,5年で保健をやっている必要あり | 否 |
健康論の認定は無理です。諦めましょう。
初年次導入科目
大学の科目名 | 高専の科目名 | 備考 | 認定 |
---|---|---|---|
基礎科学実験A | 情報通信工学実験・実習Ⅲ | 可 | |
基礎科学実験B | 化学Ⅰ 化学Ⅱ 情報通信工学実験・実習Ⅰ |
可 | |
コンピュータリテラシー | 情報リテラシー プログラミング基礎 卒業研究 |
可 |
基礎科学実験
AとBがあり、Aは物理実験でBは化学実験です。Aは高専でやった工学実験を書けば時間数が合えば認定してくれるそうです。Bは低学年のときに化学実験をやっていたらその科目とその旨を書きましょう。工学実験はレポートの書き方(?)などで時間数の調節として使えるらしい(この辺は定かではない)です。
コンピュータリテラシー
高専1年生などでやる情報の授業を書いておきましょう。また、コンピュータリテラシーではTeXとHTMLを授業でやるそうで、これのどちらかを授業で書いたらその授業も書きましょう、これが無いと認定出来ません。もし、そういった授業が無かったのであれば、高専5年の卒研でTeXを使って卒論を書けばそれも認定に使えるので、TeXの練習をしておくと良いと思います。
理数基礎科目
大学の科目名 | 高専の科目名 | 備考 | 認定 |
---|---|---|---|
微分積分学第一 | 微分積分 解析学基礎 |
可 | |
微分積分学第二 | 解析学基礎 | 可 | |
解析学 | 解析学基礎 応用数学Ⅰ 数学演習 |
可 | |
線形代数第一 | 線形代数Ⅰ 線形代数Ⅱ |
可 | |
線形代数第二 | 数学特論Ⅰ | 基本的に認定されない | 可 |
数学演習第一 | 微分積分 解析学基礎 線形代数Ⅰ 線形代数Ⅱ |
可 | |
数学演習第二 | 解析学基礎 線形代数Ⅱ |
可 | |
物理学概論第一 | 応用物理Ⅱ 応用物理Ⅲ |
可 | |
物理学概論第二 | 情報理論と符号化 電磁気学演習 |
可 | |
化学概論第一 | 化学Ⅰ 化学Ⅱ 化学特論Ⅰ 化学特論Ⅱ 物理Ⅲ 応用物理Ⅰ |
可 | |
基礎プログラミングおよび演習 | 基本プログラミングⅠ 基本プログラミングⅡ |
可 |
数学
基本的に「線形代数第二」以外の科目は全力で認定して下さい。稀に数学の先生に「〇〇をやってない」と言われて保留にされる人が居るのですが、ゴリ押しをして認定して下さい。大抵の高専のカリキュラムはちゃんと作られていると思うので、多少やってない項目があっても妥協はしない方が良いと思います。
線形代数第二に関しては認定の説明が書いてある資料に「線形代数第二は原則として認定をしない」と書いてあって、本当に去年までは誰も認定されなかったみたいです。ただ、僕の代は高専で線形代数第二の内容(ベクトル空間、線形写像など)を授業でやっていれば認定されました。僕の他にも数人が認定されたみたいなので、ベクトル空間を授業で習った人は申請書に書いてみて下さい。逆に授業で一切やってない人は諦めて下さい。
専門科目
大学の科目名 | 高専の科目名 | 備考 | 認定 |
---|---|---|---|
応用数学A | 応用数学Ⅱ 通信工学Ⅰ |
可 | |
応用数学B | 偏微分方程式をやっていない | 否 | |
基礎演習A | 応用数学Ⅱ 通信工学Ⅰ 電磁気学Ⅰ 電磁気学Ⅱ 基礎電気工学 電気回路Ⅰ 電気回路Ⅱ |
可 | |
基礎演習B | 応用数学Bが否なので自動的に否になる | 否 | |
基礎電気回路 | 基礎電気工学 電気回路Ⅰ 電気回路Ⅱ |
可 | |
回路システム学第一 | 応用数学Ⅱ 電気回路Ⅱ 電気回路Ⅲ |
可 | |
基礎電磁気学 | 電磁気学Ⅰ 電磁気学Ⅱ 電磁気学Ⅲ |
可 | |
数値解析およびプログラミング演習 | 高専の授業の時間数が足りない | 否 | |
アルゴリズムとデータ構造およびプログラミング演習 | アルゴリズムとデータ構造 | 可 | |
離散数学 | 情報数学 | 可 | |
複素関数論 | 応用数学Ⅲ | 可 | |
電磁気学第一 | 電磁気学Ⅰ 電磁気学Ⅱ 電磁気学Ⅲ |
可 | |
基礎電子工学 | 半導体工学Ⅰ 半導体工学Ⅱ |
可 | |
論理回路学 | ディジタル回路Ⅰ ディジタル回路Ⅱ |
可 |
申請すらしていない専門科目
Ⅱ類の人は1年生の授業で「力学」と「確率統計」という科目を取らなければならないのですが、そもそも高専で2つに対応出来るような科目を取っていなかったので、申請すらしませんでした。
まとめ
色々書きましたが、基本的に認定の優先順位は低学年の科目を優先して認定して下さい。というのも、低学年の科目は「卒業研究着手審査基準」という4年で卒研を開始するための要件に入っていることが多く、これを落としてしまうと即留年が確定としたことと同じことになってしまいます。3年の必修科目は落としても卒研が出来る科目があるところもあるので、留年しないように上手く認定の計画を立てるようにして下さい。
また、この記事を見てくれた方なら分かると思いますが、本当に電通大の単位認定は大変ですしなかなか単位は認定されません。単位認定で失敗してしまうと、時間割が大変なことになってしまいます。実際に、電通大での生活は高専の時に比べて、課題が多かったり、レポートが大変だったりと兎にも角にも忙しい日々でした。ただでさえ忙しい状態をさらに悪化させないためにも、4月の単位認定は全力で単位を取りに行って下さい。
また、この記事を読んでみて分からないことや質問などがあったら僕のtwitter(@differentiatedd)のDMなどに連絡をください。