【大学編入】編入における口頭試問について
久しぶりの更新になります。今回は多くの大学の編入試験で面接と同様によく行われている口頭試問についての記事を書いていこうと思います。
今年4年生の人は後期に入ったということもあり、ぼちぼち面接や口頭試問の対策を考え始めているかもしれませんし、あるいは学力一本を本命にしている人は滑り止めとして面接や口頭試問が問われるような学校を考えている時期だと思われます。そんな人へ今回は「口頭試問をどうやって乗り切ればいいか」について僕の考えを書いていこうと思います。
口頭試問という試験について考える
どんな問題が出題されるのか
これについては大学によって大きく異なる場合がありますが、大抵の大学では与えられた問題を口頭またはホワイトボードを用いて解く形式の口頭試問が多いと思われます。情報系の口頭試問で多いのはプログラムの実行結果を答える問題や、N進数の計算を行う問題や、情報理論の問題などがあり、数学の口頭試問は微分積分や線形代数などの筆記試験でも出題されやすい問題を始め、「〇〇の定義を答えよ」などの問題もよく出されます。
出題傾向などはあるのか
基本的にはあると考えて問題無いですが、口頭試問の内容は普通は公開されないので出題傾向がいきなり変わることはよくあります。
また、大学によっても大学側が口頭試問について出題範囲をどの程度公開しているかが大きく異なります。実際、僕が受験した信州大学の口頭試問は「英語」と「専門」が出題されると募集要項に書いてあり、「専門科目は、電磁気学、回路基礎、情報基礎のいずれかを選択可*1」というように具体的な科目を指定してくれていますが、電通大の場合「数学と専門の基礎知識などについて試問を行う*2」としか募集要項に書いていません。この場合、後者のような情報しかない大学については、出題傾向だけでなく出題される分野についてもいきなり変わることが大いに考えられるので対策の際は注意が必要です。
口頭試問の対策について
高専の先生に頼む場合
高専の先生に頼んで模擬口頭試問をしてもらうという対策が先ず思いつくと思われますが、これは1回は必ずやってもらいましょう。この次の節でこの対策についての考えを色々と書きますが、本番の流れを掴むという点でこういった練習をすることはとても有効ですので、どの科目でも良いので高専の先生にお願いしてみましょう。
では、こういった練習をして頂く際に気を付けておきたい事を書いておきいます。まず、受験生が比較的多いような大学は過去に編入試験を受けた受験生がブログやZENPENなどのサイトに掲載されているの編入体験談から過去にどのような問題が出題されたか把握しておきましょう。また余裕があれば、複数の編入体験談を引っ張ってきて「何年度はどんな問題が出された・・・」というものを集めたリストを作っておくと良いです。このリストは実際に先生に口頭試問の練習をお願いする際に使えます*3し、自分で勉強する際も便利です。また、自分が口頭試問練習で先生にどのような問題形式で出して欲しいのかは予めちゃんと説明しておくべきです。高専において、編入試験の口頭試問の内容を把握している先生は一部です(高専にもよりますが)。その点をきっちり理解してお願いしに行きましょう。
自分で行うべき対策は何か
それは 勉強 です。これに限ります。よく編入で口頭試問を受けた人が口々に言うのが「緊張して頭が全く回らなかった」だと思います。実際僕も電通大の専門科目の口頭試問は緊張して全く頭が回りませんでした(詳細は本ブログの電通大の編入体験を読んで下さい)。しかし、編入の口頭試問で出題されるような問題というのは本当に基本的な問題ばかりです。つまり、考えなくても手が動くほど勉強していれば全く問題が無いわけです。今でも僕が電通大の口頭試問で沈黙してしまったのは基礎力が欠けていたからだと思いますし、もっと力学についての基礎が付いていればすぐに答えられたと思っています。基礎的な勉強と言っても、筆記試験の勉強をしていれば問題は無いと思います。これらのことが、僕が推薦本命の人も学力試験を受ける人同様の勉強を勧める理由でもあるわけです。
最後に大学選びに迷っている人へ
話は変わりますが、最後に大学選びに迷っている人へのアドバイスを書いておきます。
大学編入で大学を選ぶ時にまず第一に基準とするべきなのは、大学の偏差値でも、立地でも、ネームバリューでもなく、「研究室でどのような研究が出来るか」だと思います。というのも、高専からの大学編入は例外はありますが3年次に編入することになるので、4年次には殆ど授業を受けないとすると、に学部で授業を受けられる時間は内部生に比べて圧倒的に少ないです。その点について考えれば、普通の高校生と同じような動機で大学編入に望むべきでは無いことは明らかだと思います。
また、「サークル活動をしたいから」とか、「新しい出会いが欲しいから」という理由で大学編入を目指すことは論外です。大学はサークル活動をする場所ではないです。別にサークルをするなと言っている訳ではなく、大学へ行きたい理由として1番目に考えることが無いと言っている訳です。
幸いなことに、高専生の大学編入に関する情報は昔に比べれば圧倒的に増えてきています。しかし、情報が多ければそれだけ「自分でどうするべきかを考えずに流されてしまう」人が出てしまうのも事実です。自分でじっくり考えた結果、「自分は大学編入に向いていない」と思うのであればそれはそれで良いと思いますし、自分の進路なのでそうなるくらい本気で考えて欲しいと思います。
受験が終わった後の試験
みなさんこんにちは。ヨッシーです。
編入試験も無事終わり、堕落した毎日を送っている最中なのですが、高専の前期期末試験がそろそろ来てしまう時期になってしまいました。
正直言って、受験勉強が終わってスイッチが切れた後にまた試験勉強をしないといけないというのはとても厳しいですね・・・・
最近はTwitterで高専4年生のフォロワーが増えてきまして、受験勉強についてのツイートがよく見られるようになりました。
いやーー感心ですね((
僕も、これから大学に入学するまで、サボってた波動の勉強を進めたいと思っています。
さて、そういう事でこれから編入勉強に本腰を入れてくる高専生が増えてくると思いますので、情報提供をしたい側としては張り切っている状態ではある訳です。
ですので、受験生の方から直接連絡して頂くのも良いのですが、「こんな記事書いて!」という要望がありましたら、一応(コレ重要)受け付けたいと思います。何かありましたら、この記事のコメントにでも書いておいて下さい。暇が出来たら書きます。
また、質問とかも一応受け付けているのでTwitterの@yoshi12030にリプライかDM下さい。
今回はここまでにしておきましょうか、、
本当はもっと日常生活の書きたかったんですけど、結局編入の話題になってしまいましたね;;
見てくれた方、ありがとうございました。
【大学編入】研究室訪問をしよう
今回は、僕が編入試験の前に行った研究室訪問の話をします。研究室訪問は普通はオープンキャンパスの時などに行えば良いのですが、僕は行きたい類を最終的に決定したのが電通大のオープンキャンパスの後になってしまったので、興味のある先生の研究室を実際に見たりお話を聞く機会がありませんでした。そこで、先生に直接メールを送って交渉をさせて頂いて研究室訪問をさせて頂いたのですが、今後同じようなことを考えている高専生がいるかも知れないので記録を残しておきます。
研究室訪問の意義
そもそも何のために研究室訪問をするかと言いますと、大きな目的は「その先生がどのような研究をしているのか知る」という事や、「実際に訪問することでその研究室や先生の雰囲気を知る」という事です。また、オープンキャンパスなどのイベント以外で時間をとって頂ける場合、普通よりも沢山のお話を実際に聞くことが出来るので、とても有意義な時間を過ごすことができ、受験に対するモチベーションも高まると思います。
その分、先生には忙しい中時間をわざわざ使って下さるので、その点は十分に配慮する必要があります。
研究室訪問の流れ
メール
まず、訪問をお願いしたい先生にメールでアポイントを取ります。メールは一般的なビジネスメールと同等なメールを送るべきです。高専生(特に進学希望者)はそういったメールに慣れていない場合が多いと思うので、周りの先生やキャリア関係のサイトなどを活用してメールを送ってみましょう。また、使用するメールアドレスはプライベートで使うものは避け、学校で配布されているようなメールアドレス(ドメインにac.jpが付く)を使いましょう。参考程度に例文を載せておきます。
Subject 〇〇研究室への訪問のご依頼
〇〇大学 〇〇研究科*1
〇〇先生
初めてメールを差し上げております。
〇〇高等専門学校 〇〇科〇年の〇〇と申します。
ここに、研究に興味を持った経緯や、実際に訪問して話を聞きたいことなどを簡潔に書きます。
お忙しい中恐縮ですが、訪問のお時間を頂けませんでしょうか。
先生のご都合の良い日時を数候補挙げて頂ければ幸いです。
何卒よろしくお願い致します。
〇〇高等専門学校 〇〇科 〇年
自分の名前
Email:〇〇
当日
当日の時間などは事前に先生と相談し、わざわざ時間を設けて頂く訳ですから遅刻しないように余裕を持って大学に行きましょう。基本的に服装はスーツではなくて大丈夫です。また、質問したい内容は事前に多めに決めておくと良いと思います。
訪問中は積極的に質問し、有意義な研究室訪問にしましょう。
訪問後
訪問後はお礼のメールを送りましょう。基本的な書式は上の物と同じで良いと思います。
まとめ
色々と書きましたが、必ず研究室訪問をしなければいけない訳ではありません。中には距離的な問題で大学へ赴く事が簡単では人も多いかと思います。そういう方はインターネットを使って人一倍に情報収集をしてその大学や研究室のことについて調べれば全く問題ないと思います。
大学を決める大きな基準となる「研究室」の話ですので、自分が大学でどんな研究をしたいのかという事はじっくり悩んで決めると良いと思いますし、興味のある分野に関しては1つの大学だけではなくて、他の大学ではどのような研究をしているのか調べることも大事です。
また、詳しいエピソードについて聞きたい方がいらっしゃればTwitterの@yoshi12030へDMなどを送ってい頂ければ話せる範囲で話しますので気軽にどうぞ。
*1:先生の所属などを書きますが、大学院の所属を書きましょう
【大学編入】ZENPENを活用しよう
今回は、僕が編入の受験をしている時にお世話になったZENPENという団体について紹介したいと思います。
www.zenpen-kosen.com
ZENPENとは
ZENPENとは、高専生がより良い進路選択を出来るようにすることを目的として、そのために合同編入説明会や就職説明会などの主催を中心に活動されている団体です。
「編入や就職における高専間の情報格差を無くしたい」という思いで活動をされているそうです。
編入説明会
編入説明会は関東、関西、九州で行われていて、僕は実際に関東合同編入説明会に参加しています。
僕が参加したのは4年生の終盤*1だったので、全体で各大学の編入生が話している内容の半分くらいは知っている内容だったのですが、それでも色々な人の編入をしたいという思いや志が聞けてとても良かったです。
特に印象に残っているのは横浜国立大学の編入生のお話で、その方の「何の為に編入をするのか」という話はとても心に残っています。また、その方は「研究室見学に行った方が良い」という話もされていましたが、僕はその話を聞く前は研究室見学なんて全く思いも付かなかったですし、実際にそんな話を受け入れてくれるのかとも思っていました。ですが、実際に大学の先生に連絡させて頂くと快く受け入れて頂けました。研究室見学では大学で先生が行っている研究について、とても面白いお話を聞くことが出来て、編入勉強に対するモチベーションも上がりました。
話は変わりますが、もし僕が受験生の方に編入説明会はいつ行くのがベストかと聞かれたなら、4年生の時に初めて行った僕だから言える事だと思いますが、編入説明会は3年生のときに行くべきと答えます。
僕は受験を決めたり、志望校を決めた時期が比較的早かったので4年生の編入説明会では他の大学の雰囲気などは必要ではない情報になっていました。実際、4年生の編入説明会の時期に志望校を決めているのでは遅いと思いますし、決めたとしてもその後の勉強も支障が出てくると思います。そういう事から志望校を決めるという目的で説明会に参加するのであれば3年生のときに行く事をオススメします。実際、3年生から参加している人も沢山います。
ZENPENのホームページ
ZENPENのホームページには主に高専生がよく受けるような大学を受験した方々の編入体験談が掲載されています。
掲載数ではまだ他のサイトなどより若干少なめではありますが、ZENPENの編入体験談は詳しく書いてある物が多く、とても参考になると思います。体験談の中には時系列で書かれているものがあり、自分の勉強計画を立てるときにとても役立つと思うので志望校を決めた方も見ることをオススメします。
ZENPENのホームページには、ブログに書いていない僕の時系列でまとめた受験記録があるので、興味のある方は下のリンクからどうぞ。
www.zenpen-kosen.com
僕の体験談の一番最後の「おすすめの参考書」の部分で、「弱点克服 大学生の初等力学」が2つありますが、2つ目は「弱点克服 大学生の電磁気学」の誤りです。(追記)
また、ZENPENはYoutubeのチャンネルも持っていて、そこには過去の編入説明会の登壇者のプレゼンがアップロードされているので、そこから情報を集めるのも良いと思います。ただし、毎年開催されている編入説明会に行けるのであれば、動画で満足せずに絶対に行った方が良いと思います。
【線形代数】線形変換の表現行列と基底の変換行列
今回は線形変換の基底を変換したときに、表現行列がどのように変化するかについて書いていこうと思います。(線形写像についての議論の方が一般的なのですが、今回は線形変換*1に止めます)
今回の内容は先日書いた
yoshi12030.hatenablog.com
で紹介した基底の変換行列の知識と
yoshi12030.hatenablog.com
で紹介した線形写像の一般の基底に関する表現行列の知識を前提とします。
線形変換の表現行列と基底の変換行列に関する定理
定理
を線形変換とし の基底 に関する の表現行列を とし、別の基底 に関する の表現行列を とする。また、2つの基底に関して、 から への変換行列を とするとき次が成り立つ。
説明
上で挙げた行列は対角化と同じ形ですが、(当たり前ですが) が必ず対角行列になることを言っているわけではありません。ただし、 を上手く選ぶことにより を対角行列にすることは出来ます。この定理は今まで投稿してきた線形代数の知識で導くことが出来ます。忘れてしまっていたら過去記事を参照して下さい。
証明
任意の をそれぞれ
と表せるとするとき、
というように変形できます。ここで、3行目から4行目への変形は表現行列の定義式を使い、4行目から5行目への変形は基底の変換行列の定義式の両辺に右から をかけた
一方で、別の基底に関しては
と変形でき、(1)と(2)を比較すれば
が導出できます。それでは次の問題について考えてみましょう。
練習問題を解く
問題
に対して線形変換 を で定めるとき、適当な基底の変換をして得られる基底に関する表現行列が対角行列になるような基底 とそのときの表現行列 を求めよ。